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所属団体 · 新住協 / 高断熱高気密

暖房エネルギーを、
半分以下に。

Q1.0住宅Q1.0 HOUSE

Q1.0(キューワン)住宅は、断熱・気密を徹底的に高め、ごく少ないエネルギーで家じゅうを均一に暖める高性能住宅。日本の気候と暮らしに合わせて、新住協と鎌田紀彦氏が体系化しました。

Q1.0住宅 KEY VISUAL
01 / MEMBERSHIP所属団体
新木造住宅技術研究協議会

新住協

全国の工務店・設計事務所・研究者が集まり、高断熱・高気密住宅の技術を公開・共有する研究組織。室蘭工業大学名誉教授・鎌田紀彦氏を中心に、北海道の厳しい冬で磨かれた知見を体系化してきました。

家工房は会員として、新住協の設計手法に基づくQ1.0住宅の設計・施工を行っています。

02 / WHAT IS概念
ORIGIN / 提唱
新住協(新木造住宅技術研究協議会)
室蘭工業大学名誉教授・鎌田紀彦 氏が開発・体系化

1980年代から日本の寒冷地で蓄積されてきた高断熱・高気密の技術を、誰もが再現できる設計手法としてまとめ上げたもの。北海道の厳しい冬で磨かれた知見が土台になっています。

そもそも、Q1.0住宅とは?

国の省エネ基準で建てた住宅に比べ、暖房に必要なエネルギーを半分以下に抑えることを目標にした、高断熱・高気密住宅のこと。少ないエネルギーで、家のどこにいても暖かい——その状態を「設計」でつくり出します。

鍵を握るのが Q値(熱損失係数)。家からどれだけ熱が逃げるかを表す数値で、小さいほど熱が逃げにくい=暖かい家です。「Q1.0」という名前は、その熱の逃げにくさを極限まで高めるという思想そのものを表しています。パッシブデザインとパッシブハウスの違い →

03 / ELEMENTSエコハウスの5要素

Q1.0住宅の性能は、特別な装置ではなく、「エコハウスの5要素」の積み重ねでつくられます。それぞれの要素は解説ページをご覧ください。

LEVEL 1 · 土台積み上げ →LEVEL 5 · 総仕上げ
04 / NUMBERS性能の指標
1/2以下
暖房エネルギー
省エネ基準の住宅と比べて
Q値UA値
数値で評価
小さいほど熱が逃げない
Lv.1–4
地域別の到達目標
気候に応じた段階設定

どれくらい省エネ?

省エネ基準の住宅100
Q1.0住宅-Lv150
Q1.0住宅-Lv320
暖房エネルギーの比較イメージ(青森県の場合) ※地域によって異なります
パッシブハウスとの違い

パッシブハウスが世界共通の「絶対基準」で認定されるのに対し、Q1.0住宅は日本の地域ごとの気候に合わせて「到達しやすい高性能」を設計する手法です。コストと性能のバランスをとりながら、その土地に最適な暖かさを目指します。

PHJ&パッシブハウスのページへ

CASE STUDY · 3つの家の計算シート

計算シートで読む、Q1.0住宅

家工房では、設計する家ごとに新住協の計算ソフト「QPEX」で Q値・UA値・暖房負荷を計算し、お客様に結果シートをお渡ししています。ここでは、実際に計算した3つの家のシートを並べて、数字の読み方と、家によって何が違うのかを解説します。

※どれも設計時の計算値で、実測値ではありません。暖房負荷は「家じゅうを20℃に保つのに必要な熱の量」です。

上野自邸
(断熱改修)
中居林の平屋のような家
(新築)
五戸 改修前
(仮に無断熱)
五戸 改修後
(改修部分のみ)
Q値 [W/㎡K]0.590.7611.121.46
UA値 [W/㎡K]0.160.232.960.36
暖房負荷 [kWh/㎡・年]8.818.9648.363.5
省エネ基準の家に対して9.3%20.9%717.9%70.3%
Q1.0住宅の判定Level-4Level-3省エネ基準レベル未達省エネ基準レベル

シートのどこを見ればいいか

  • Q値:家全体から逃げる熱の量を、床面積1㎡あたりにした数字。壁・窓・天井・床に加えて、換気とすき間から逃げる熱も入っています。小さいほど暖かい家です。
  • UA値:国の省エネ基準で使う数字。壁や窓など外皮(家の外側の面)の断熱だけを、外皮の面積で平均したものです。換気やすき間は入りません。
  • 暖房負荷(右上の赤い数字):八戸の気象データで、日射や家電・人の熱も差し引いて、1年間に必要な暖房の熱量を計算したものです。いちばん暮らしに直結する数字です。
  • Q1.0住宅のレベル判定:同じ家を国の省エネ基準の仕様で建てた場合と比べて、暖房負荷が何%になるか。50%以下でLevel-1、20%以下でLevel-4です。

1. 上野自邸 — 既存住宅の断熱改修で Level-4

上野自邸の温熱計算結果(QPEX)
上野自邸のQPEX結果シート(2026年10月 再計算)。画像を押すと大きく表示します。

築年数のたった家を、外壁に235mmの付加断熱(室内側にも45mm)、天井にセルローズファイバーと高性能グラスウール計500mm、トリプルガラスの樹脂窓、熱交換換気で改修しました。暖房負荷は省エネ基準の家の約9%、Q1.0住宅のいちばん上の Level-4 です。

シートを見ると、冷房負荷(717kWh)が暖房負荷(1,030kWh)に近いことにも気づきます。ここまで断熱すると、冬でも晴れた日は日射で室温が上がりすぎることがあります。実際、自邸では真冬でも晴れた日中は窓を開けて調整しています。性能を上げるほど、日射の取り入れ方と逃がし方の設計が大事になります。

自邸は現在、パッシブハウスの改修版「EnerPHit」の認定を目指しています。室温・湿度の実測ログも公開しています。→ 自邸について

2. 中居林の平屋のような家 — 新築で Level-3

中居林の平屋のような家の温熱計算結果(QPEX)
中居林の平屋のような家のQPEX結果シート。画像を押すと大きく表示します。

新築では、最初から付加断熱(105mm+105mm)、屋根の吹込みグラスウール400mm、日射取得型のトリプルガラス窓(YKK AP APW430)を組み合わせられます。暖房負荷は省エネ基準の家の約21%、Level-3 です。

燃費の欄を見ると、エアコン暖房で暖冷房あわせて年6万円ほど(家じゅう20℃・電気代30円/kWhの試算)。同じ家を省エネ基準の仕様で建てると、暖房の熱だけで約4.8倍かかる計算です。→ 中居林の平屋のような家

3. 五戸町のスポット断熱リノベ — 改修した部分だけ

五戸町のスポット断熱リノベ 改修前(仮に無断熱とした場合)の計算結果
改修前(仮に無断熱とした場合)
五戸町のスポット断熱リノベ 改修後の計算結果
改修後(改修した部分のみの値)

家全体ではなく、よく使う部屋のまわり(約84㎡)だけを断熱改修した例です。改修後の判定は「省エネ基準レベル」で、Q1.0住宅のレベルには届いていません。理由ははっきりしていて、

  • 壁の付加断熱ができていない(既存の柱の間に105mmの充填断熱だけ)
  • 南側が改修しない部屋なので、冬の日射取得がほとんど見込めない(窓は既存のアルミサッシに樹脂の内窓を足す形)

という、改修ならではの制約があるからです。レベル判定は「同じ家を省エネ基準の仕様にした場合」との比較なので、こうした制約はそのまま評価の低さに出ます。

ただし、比べるべき相手は改修前の家です。同じ部分を仮に無断熱・アルミ単板窓・すき間の多い状態として計算すると、暖房負荷は 648kWh/㎡、改修後は 63.5kWh/㎡。必要な暖房の熱はおよそ10分の1になります。

もちろん、無断熱の家で家じゅうを20℃に保つ人はいません。実際は一部屋だけを暖めて、廊下やトイレの寒さは我慢しているはずです。なので光熱費の差はこの計算の10倍そのままにはなりませんが、光熱費は大きく下がり、そのうえ改修した範囲は家じゅう暖かくなります。予算や工期に限りがあっても、断熱改修の効果は十分に大きいことが分かります。→ 五戸町のスポット断熱リノベ

※改修前は「断熱材なし・アルミサッシ単板ガラス・熱回収なし・相当すき間面積10c㎡/㎡」と仮定した試算です。外壁の空気層の効果は見込んでいません。

計算方法の違い — 国の省エネ計算・QPEX・PHPP

家の性能を表す計算には、いくつかの種類があります。同じ家でも、どの計算を使うかで見え方が変わります。

国の省エネ計算(外皮計算・一次エネルギー消費量計算)

確認申請や補助金、長期優良住宅などで使う計算です。基準に合っているかを確かめるには必要ですが、「暖かい家かどうか」を判断する物差しとしては、次のような弱点があります。

  • UA値には換気とすき間の熱損失が入らない。気密性能(C値)は2009年の基準改正で国の基準から外れ、今は計算にも反映されません。すき間だらけの家でも、断熱材の厚さが同じなら同じUA値になります。
  • UA値は外皮の面積で割った平均値。凸凹の多い家や大きい家でも、面積で割ると数字が良く見えることがあります。家全体から逃げる熱の量は分かりません。
  • 基準の水準が低い。八戸(3地域)の省エネ基準はUA値0.56。断熱等級5でも0.50で、Q1.0住宅やパッシブハウスとは大きな開きがあります。
  • 一次エネルギー計算は「主に居室を暖める」標準的な暮らし方で比べる。家じゅうを暖かく保つ暮らしは前提になっていないため、断熱を良くした効果(家じゅうが暖かくなること)が数字に表れにくくなっています。
  • 冬の日射取得には基準がない。夏の日射(ηAC値)は地域によって基準がありますが、冬の日射取得(ηAH値)には基準がなく、八戸(3地域)はηAC値の基準もありません。南の窓から日射を採り込む設計が、基準の上では評価されにくくなっています。

新住協の QPEX

  • Q値に換気・すき間の熱損失まで含めて計算します。熱交換換気の効率や、すき間の量(相当すき間面積)も入力できます。
  • 八戸などの気象データで、月ごとの日射取得や室内の発熱を差し引いて、家じゅう20℃に保つ暖房負荷を出します。
  • Excelで動くので、設計中に窓や断熱の仕様を変えて、その場で比べられます。お客様への説明にも向いています。
  • 熱橋(柱などの熱が伝わりやすい部分)は面積の割合で簡易に扱います。夏の室温は月平均での目安です。

PHPP(パッシブハウス研究所の計算ツール)

  • パッシブハウス・EnerPHit の認定に使う、ドイツのパッシブハウス研究所の計算ツールです。
  • 熱橋を部位ごとに(Ψ値で)計算し、窓は枠・ガラス・取り付け部分まで、日射は庇や周りの建物の影まで入力します。
  • 暖房需要・冷房需要に加えて、夏のオーバーヒートの頻度や、再生可能一次エネルギー(PER)まで評価します。
  • 入力がとても細かいので、認定を取るときや、詳しく性能を確かめたいときに使います。家工房では、QPEXで設計した家の性能確認にも使えます。
国の省エネ計算QPEX(新住協)PHPP(PHI)
主な数字UA値・ηAC値・一次エネルギーQ値・暖房負荷・Q1.0レベル暖房/冷房需要・PER・オーバーヒート頻度
換気・すき間UA値には入らない入る入る(気密は実測で確認)
暖房の前提主に居室を暖める標準的な暮らし方家じゅう20℃家じゅう20℃
日射ηAH・ηAC(冬の日射に基準なし)月ごとに計算月ごと、庇や周辺の影まで
熱橋簡易簡易(面積の割合)部位ごとに計算
向いている使い方申請・基準への適合設計中の比較・お客様への説明認定・詳しい性能確認

※おおまかな比較です。それぞれの計算の細かな条件は、各制度・ツールの資料をご覧ください。

家工房では、国の計算で基準への適合を確かめつつ、設計はQPEXで「家じゅうがどれくらい暖かく、どれくらいの暖房で済むか」を見ながら進めます。→ パッシブデザインとパッシブハウスの違い

数値で、暖かさを約束する。

家工房一級建築士事務所は、全棟で Q値・UA値 を計算し、根拠のある暖かさを設計します。

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